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評議員就任にあたり
角 大悟
徳島文理大学薬学部衛生化学
角 大悟

このたび日本免疫毒性学会の評議員を拝命させて頂くことになりました。ご推薦頂きました先生方および諸先輩方に厚く御礼申し上げます。本紙面をおかり致しまして、皆様にご挨拶させて頂きたいと存じます。

私は、1994年に北里大学薬学研究科修士課程を卒業後、調剤薬局や病院での調剤業務の経験を経て、名古屋大学大学院医学研究科の博士課程に入学し、一酸化窒素(NO)が有する動脈硬化抑制作用の研究を行いました。その後、1998年のノーベル医学生理学賞受賞者のLouis J. Ignarro博士の研究室でPost Doctoral Fellowとして3 年働いた後、筑波大学大学院人間総合科学研究科環境医学研究室(熊谷嘉人教授)のもとで環境化学物質による生体影響の研究をスタートさせました。2009年からは徳島文理大学薬学部衛生化学講座の姫野誠一郎教授のもとで、金属化合物による免疫毒性に関わる研究をさせて頂いております。

東アジアに代表される諸地域で井戸水を介した慢性ヒ素中毒が発生しており、多臓器における発癌、糖尿病や循環器疾患など広範囲な疾病を発症することが知られています。私は、これらの疾病の発症機序を明らかにするために、「生体の免疫機能がヒ素化合物によって障害を受け、それがヒ素による健康障害の増悪因子になったのではないか」と仮説を立て研究を進めております。その結果、ナチュラルキラー細胞やT細胞の活性化にヒ素化合物が影響を与えることを見出しました。現在、その機序を明らかにすると共に、human sampleを用いた検討を進めている所でございます。

私自身、まだまだ免疫毒性に関する知識が足りませんが、少しでも本学会に貢献できればと考える所存でございます。今後とも、ご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

 
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