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免疫毒性学を志す若き研究者へ
清水 英佑
日本産業衛生学会理事長
東京慈恵会医科大学名誉教授

 「日本免疫毒性学会」は、大学、企業、行政機関にまたがって、医学・薬学・理学・農学等の専門家を取り込んだ学際的な研究者により1994年に免疫毒性研究会として創設され、2001年に学会へと発展したとのことである。 
 免疫学と毒性学を基盤として、生体の免疫系が標的となる毒性に関して、メカニズムや発現様式を研究する学問であると理解している。薬物や化学物質が有害作用として働くことによるとされてきたが、近年、物理的因子や心理的因子も含まれ、今話題となっている精神的ストレスもその要因として考えられるようになっている。まだ、詳細な機序は未解明のものが多いが、研究手法の発達と分野の異なる研究者が学際的に情報の交換をすることにより、研究の輪が広がり、内容的な深さを増していくものと思える。若い研究者の積極的な参加が望まれるところである。
 日本産業衛生学会の中の30研究会の一つに、かって「職業性アレルギー研究会」と称して1978年に発足した研究会が、今日では「アレルギー・免疫毒性研究会」と改称したのは時代の要求に応えるものであろう。協同で研究を発展されることを願いたい。
 免疫毒性学の領域はまだ発展途上で、適切な試験方法もまだ開発されていない学問的に興味ある分野である。専門を異にするいろいろな分野の研究者が集い、さらに若い研究者がここに参画し、魅力ある免疫毒性学を発展させていただくことを願う。
 
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