≪Non-category (寄稿・挨拶・随想・その他)≫

アメリカ合衆国Society of Toxicologyについて 


1996; No.3, p11


吉田貴彦
東海大学医学部環境保健学部門

 私は1992年から1年と少しアメリカ合衆国環境健康科学研究所 (National Institute of Environmental Health Sciences, NIHの1組織) に研究留学しました。昨年の免疫毒性研究会の総会で招待講演を行ったM.I. Luster博士のもとに免疫毒性を研究したのですが、この研究室の研究成果の発表の場がSociety of Toxicology (SOT) です。この学会はToxicology and Applied PharmacologyとFundamental and Applied Toxicologyの2つの雑誌を学術機関誌として発行しており、また毎年3月にAnnual Meeting of SOTが開催されます。私もアメリカ合衆国滞在中に2回参加する機会があり、その後も出来るかぎり参加するように心がけています。このSOT Meetingは、例年1,800題程の演題が5日間に渡り非常に大きなConvention Centerにて開催されます。私の所属していた研究室 (Immunotloxicology Group) がなぜこのSOT Meetingに参加するかと言うと、ほぼ毎日途切れることなく会場のいずこかでImmunotoxicology Sessionが、Symposium, Platform (Oral Presentation), Platform-Poster, Posterの形式で行われているからです。アメリカ合衆国のSOT (日本毒科学界に相当する) の規模の大きさはけた違いなのですが、その中でもImmunotoxicology (免疫毒性) の占める規模も相当なものです。SOT Meetingでは、アメリカ合衆国はもとより世界各国からの研究者が集まり非常に熱心な討議がなされます。免疫毒性学のsessionにおいても例外ではなく、我々免疫毒性学を志す者にとって最先端の情報の収集にはもってこいの場であると言っても過言ではないでしょう。そのような訳で、私もSOT会員となり極力参加し演題を発表しながら情報の収集に努めています。SOT Meetingには幾人かの日本の研究者も参加していますが未だ多いとは言えません。我々の免疫毒性学研究会の会員の過多にも積極的に参加して戴けたらと願い、ここにご紹介しました。因に来年のSOT MeetingはOhio州Cincinnatiにて、3月9-13日に開かれます。演題の締切りは例年10月1日ですので、もう過ぎてしまいましたが、SOT会員でなくとも知り合いの会員にSponsorshipを頼めば演題を出すことが出来ます。Abstract FormとRegistration Formが綴じ込まれたPreliminary InformationはSOT事務局に連絡すると送ってもらえます。SOTへの連絡方法はE-mail : sothq@toxicology.org、Fax : +1-508-230-2015となっています。多くの皆様と共に参加したいと願っています。