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≪免疫毒性試験の国際動向,ICHガイドライン≫
免疫毒性試験に関するガイドライン等の情報(2012年6 月〜2013年5 月)
学術・編集委員会

学術・編集委員会では、MHLW(厚生労働省)、EMA(欧州医薬品庁)、FDA(米国食品医薬品局)、OECD(経済協力開発機構)などの日欧米の規制当局あるいは国際機関から発表されたガイドライン等(案も含む)の中の免疫毒性試験に関する記載について、その内容を簡潔に紹介しています。本号では、昨年の6 月から本年5 月までに公表されたガイドライン等を対象にしました。

1.EMA: Guideline on immunogenicity assessment of monoclonal antibodies intended for in vivo clinical use(2012年5 月)
ガイダンスの目的:ヒトに適用されるモノクローナル抗体医薬品による免疫原性の測定方法およびリスクマネジメントに関する指針
適用範囲:治療または診断目的で用いられるモノクローナル抗体(誘導体、成分含有物質を含む)
免疫原性評価に関する内容:モノクローナル抗体に対する抗体(抗薬物抗体)を検出するための留意点として、測定系、測定サンプル中に存在する投薬されたモノクローナル抗体による影響を抑える工夫、陽性結果を確定するための方法、標準物質の選び方および検出された抗体の中和活性の評価方法を具体的に記載。免疫原性のリスクマネジメントの考え方を、リスク同定(既知情報、分子構造、作用機序、臨床使用形態)、リスク評価およびリスクモニタリングならびにリスク緩和の観点からコメント。
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/
Scientific_guideline/2012/06/WC500128688.pdf


2 .EMA: Guideline on similar biological medical products containing monoclonal antibodies - non-clinical and clinical issues(2012年5 月)
ガイダンスの目的:モノクローナル抗体医薬品のバイオシミラーに対する非臨床および臨床評価上の要件に関する指針
適用範囲:バイオシミラーモノクローナル医薬品(既存品の構造や機能を改変した次世代モノクローナル抗体は除く)
免疫毒性評価に関する内容:非臨床評価に関しては、動物を用いた免疫原性評価は一般的にヒトでの免疫原性の予測には適さないが、動物実験の結果の解釈に利用可能な場合があり、必要に応じて将来の測定のために血液サンプルを採取、保存するのが望ましいと記載。一方、臨床評価については、免疫原性評価は既存EMAガイダンスを参考に実施することとし、生産系の異なる場合には免疫原性評価は重要になること、先行品と免疫原性の強度が異なる場合には先行品との同等性自体が問題になりうること、市販後に長期にわたる免疫原性評価が必要な場合があることなどを記載。
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/
Scientific_guideline/2012/06/WC500128686.pdf
 
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