学会概要

理事長挨拶

平成20年4月
医薬品医療機器総合機構 澤田純一

澤田純一

 平成20年(2008年)4月より、日本免疫毒性学会の理事長をお引き受けすることとなりましたので、ご挨拶申しあげます。

 本学会は平成6年(1994年)に免疫毒性研究会として発足し、平成13年(2001年)、日本免疫毒性学会と改称され、現在に至っております。発足以来、名倉宏先生、大沢基保先生が理事長を務められ、現在の学会の体制を整えられました。その間、日本の免疫毒性学の発展のため大きな貢献をなされました。その後を引き継ぐ者として、重責を感じておりますが、本学会のさらなる発展のため尽力させて頂きたいと思っております。

 本学会は、基礎、臨床、環境、産業衛生、製薬、化粧品、食品、等々、多彩な分野の対象物質に関する免疫毒性を、医学、薬学、理工学、農学などの広い領域に亘る研究者が参加して議論しうる特色ある学術団体であります。現在は、古典的な免疫毒性(免疫抑制)に加えまして、自己免疫を含めた過剰免疫亢進、アレルギーも重要な研究対象となっております。昨今のトキシコロジーの分野では、新しい研究手法としてのオミクスやエピジェネティクス、ハイリスクグループ、ナノ粒子で代表される新開発素材の生体影響、生態学的影響(環境影響)、等が話題に上っておりますが、免疫毒性学の領域でも引き続き取り上げてゆく必要がある課題と思われます。このような新たな課題に取り組むに当たり、異分野の研究者の間の忌憚のない意見交換ができる(学際的な)場としての本学会の役割は非常に大きいと思われます。また、学会の国際化も取り組むべき宿題として科されております。免疫毒性学の新たな発展に貢献しうる学会になるよう努めたいと思っておりますが、会員の皆様におかれましても、積極的な参加を宜しくお願い申しあげます。